映画『search/サーチ』のあらすじとレビュー【ネタバレなし】
行方不明の娘を探す、全編100%のPC画面で展開されるサスペンス・スリラー!
SNS=ソーシャルネットワークサービスやネットが普及してきた時代だからこそ作られた映画です。
監督はこれが初作品で、Googleの初期のCMを担当していました。その人物が映画を作るとなればセンスが輝きますね。
実際に日本で公開される前からSNSで話題になっていました。というのもアメリカでは8月24日に全米で9館で上映されていましたが、人気があったらしく公開館数が1207館まで拡大されたらしいです…!
億自身もとても期待していたので楽しみにしながら見に行ってきました!
映画『search/サーチ』の作品情報
【公開日】
10月26日
【原題】
『searching』
【監督】
アニーシュ・チャガンティ
【キャスト】
- ジョン・チョー – デヴィッド・キム
- ミシェル・ラー – マーゴット・キム
- デブラ・メッシング – ローズマリー・ヴィック刑事
【上映時間】
102分
【予告】
映画『search/サーチ』のあらすじ
物語がすべてパソコンの画面上を捉えた映像で進行していくサスペンススリラー。16歳の女子高生マーゴットが突然姿を消し、行方不明事件として捜査が開始されるが、家出なのか誘拐なのかが判明しないまま37時間が経過する。娘の無事を信じたい父親のデビッドは、マーゴットのPCにログインして、Instagram、Facebook、Twitterといった娘が登録しているSNSにアクセスを試みる。だがそこには、いつも明るくて活発だったはずの娘とは別人の、デビッドの知らないマーゴットの姿が映し出されていた。「スター・トレック」シリーズのスールー役で知られるジョン・チョウが、娘を捜す父親デビッド役を演じた。製作に「ウォンテッド」のティムール・ベクマンベトフ。Googleグラスだけで撮影したYouTube動画で注目を集めた27歳のインド系アメリカ人、アニーシュ・チャガンティが監督を務めた。
引用元:映画.com
映画『search/サーチ』のレビューと感想
全編100%PC画面で展開されるサスペンス映画っておもしろさと同時に不安もありました。「全部PC画面って飽きるんじゃね。。。?」って思ってたんですけどいい意味で期待を裏切られましたね。
この映画めちゃくちゃサスペンスします!いやもうこれサスペンスじゃなかったらなんなの?ってレベルでサスペンスします。この映画だからこそできる伏線の張り方などがあって見ていてとても楽しかったです。本当にPC画面だけでストーリーが進んでいくんですけどPC画面にいろんな情報が入っていきます。その中にはこの映画のラストに繋がる伏線だったり、主人公の行動、チャットの内容、すべてが画面に表示されます。これだけ聞くと、「どの情報見ていいかわからなくなるんじゃない?」と思うと思いますが、基本的に中央に主人公の行動が表示されるので目まぐるしくはならないです!
『search/サーチ』がなぜめちゃくちゃサスペンスをしているかというと、サスペンス映画における鉄則を丁寧に描いているからです。
サスペンス映画における鉄則とは、
- 偶然や暗合、動機のない自供によって事件を解決してはいけない。
- 占いや心霊術、読心術などで犯罪の真相を告げてはならない。
- 事件の謎を解く手がかりは、全て明白に記述されていなくてはならない。
- 犯人は物語の中で重要な役を演ずる人物でなくてはならない。
- 必ず探偵役が登場して、その人物の捜査と一貫した推理によって事件を解決しなければならない。
ヴァン・ダインの二十則というサスペンスにおける指標です。
ようするにこれを守ればめちゃめちゃフェアなサスペンスをするわけですね。この映画はこの鉄則を綺麗に描いていて、作り手がとても几帳面なことが伺えます。上でも説明した通り序盤から伏線を張っていく映画です。つまり隅々まで開示されていく情報をちゃんと見れば序盤から犯人、動機、ラストの展開までわかります。サスペンス好きなら見るべき映画です。
【感想】
めっちゃサスペンスしてるしこんな正統派サスペンス久しぶりに見た!!!
いやぁすごいですよこの映画。批評家もそろって支持するのも納得の映画でした。この映画はサスペンスめちゃくちゃしてるんですけど、同時に家族愛まで丁寧に描いていてとても見ごたえがありました。見終わってからこの映画の事を考えたとき衝撃が走りました。作中でポケモンの話が出てくるんですけど、見ていた時は何気ない会話でも、見終わってから考えるととても重要な伏線だと気づきます。結末も個人的には好きな終わり方でした。
作中ではSNSの代表と呼ばれるものがほとんど出てきます。facebook、instagram、twitterなど私たちがよく使っているSNSですね。それを駆使して娘を探そうとする父親なんですが、娘の情報を入手していくテンポがとても良くてとても気持ちいいです。それはこの映画の主人公であるデヴィッドがこの物語の探偵であることを示唆しているのです。なので作中でデヴィッドが取る行動は探偵まがいなことばかりです。娘の行動を時間毎に表でまとめたり、閲覧履歴から何のサイトを見ていたのかを調べたりと父であることを前提に探偵という役もデヴィッドが担っています。
ここで前置きが長くなりましたが僕自身の評価をします。
オススメ度・・・★★★★★
ストーリー・・・★★★★☆
演 技 ・・・★★★★☆
サスペンス・・・★★★★★
となりました。正直文句の付けどころが難しいですね。。。しいて言うなら全編PC画面である必要性はあったのかな?ぐらいです。ただそれを言うとこの映画のコンセプトを否定することになるので割愛します。
こんなに丁寧なサスペンス映画を見たのは久々だったのでとても懐かしくそして面白く感じました。サスペンスをあまり見ない人でもこの映画を見るといいでしょう。サスペンス映画に対する意見が変わると思います。
この映画はこの時代だからこそ生まれた映画です。この映画を10、20年後見るとなると見方が変わっていきます。個人的な意見で言うと早めにこの映画を見てほしいです。SNSをメインに描いている作品なので温かいうちに見ましょう。
もしかしたら二回目も見るかもしれません。あのPC画面の情報を全部確認しておきたいというのもありますし、何よりあのPC画面はとても魅力的だからです。
以上『search/サーチ』の感想、レビューでした;;
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